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2018-12-14

「コミックスができるまで」“白泉社一同、あなたをサポートします!”~宣伝部編~

「マンガラボ!」で編集とマッチングした後、実際に白泉社で漫画を描くことになったらどんな人たちが自分の作品に関わるの? そんな疑問に答えるために、今回は、白泉社の心強いコミックス販売サポートについて、宣伝部の田中さんにお話を伺ってきました。

宣伝部…宣伝部宣伝課課長代理 田中理奈子

「企画を考えることが一番大事」

――まず、宣伝部のお仕事について、教えてください。

宣伝部は、白泉社から発売が決まった作品をとにかく宣伝して周知させる部署です。そこから派生して相手が書店さんか直接読者さんかに枝分かれしていくんですけど、共通していることは「作品を知ってもらうためにはどうするか」を考えて実施しています。

最近は色々な情報が溢れすぎているので、立体的に施策を考えて膨らますことを意識しています。作品を知った読者さんが書店さんや電子書店サイトに行きたくなるにはどうやって宣伝すれば効果的か、という部分を大事にしていますね。例えば、大きな施策の1つとして交通広告をやった場合、ただ広告を出して終わりではなく、その広告を見た読者さんがどうすれば書店さんや電子書店サイトに行ってくれるか、次のリアクションまで考えられたらいいなと思ってやっています。

特に、初めてのコミックスを出す作家さんは初期投資という意味で積極的に色々な施策を行っています。実績がないので難しい面もあるのですが、新しい作品だからこそ前例にとらわれず作品に合わせた施策を展開することができます。そして、その結果が売上にダイレクトに反映されるので反響を見ながら日々試行錯誤しています。

「描きおろしがあるとアイディアが広がる」

――企画はどのように考えているのでしょうか?

編集部・販売部・宣伝部が集まって和気あいあいと打ち合わせしています。今の白泉社がいいのは、作品を作る作家さんや担当編集、売っていく販売部、宣伝する宣伝部の三部署がチーム一丸となってやっていこうとしているところですね。

3部署それぞれが作品を売りたいし広めたいと思っていて、それぞれの得意分野を活かしていいバランスで作品と向き合っています。あと、打ち合わせに担当編集がいると、例えば「描きおろしできますよ」など作家さんの意向がすぐ分かるので企画内容も迅速に決まり、様々な事が出来ます。描きおろしがあるかないかで書店さんの意気込みは違ってくるし、物量が描ける新人の作家さんの特典ペーパーや、その他のノベルティなどがあることで、どんどん企画が広がっていくので、増売につながるかなと想像すると楽しいです。

宣伝の私が仕事をする上で、最初に教わった言葉があるんです。
「宣伝は楽しんで宣伝しろ」っていう先輩から教えてもらった言葉なんですけどね(笑)
売るまでの過程を楽しむ、ってことなんですけど、やっぱり結果は売れた!がいい。正直、あれこれした企画した商品がすべて売れるわけではないので・・・・・企画の結果、売れたらこれは本当に嬉しいんです!!

 

施策事例1:『墜落JKと廃人教師』の場合
「みんなのフィーリングが合えば実現する」

墜落JKと廃人教師』は絵がきれいだったので絶対に絵を動かしたかったんです。タイトルにある通りJKと教師なので漫画を読まない若い世代にも受け入れられやすい形にするのを意識して、プロモーション動画を作りWEB・SNS・書店で施策を行いました。

この作品では、担当編集から「こういうことをしてほしい」と相談があって、宣伝部でも注目していた作品なので1巻からいろんな企画を考えました。

書店店頭に掲出するポスターは「この場面を使おう」と作品の一番良い見せ方を考えました。イラストをふんだんに使って、内容が分かるように載せています。現状、販売台などを使ってくれる書店店頭が減ってきてるので、ポップだけでも使えるように切れ目を入れたりしています。書店店頭に関しては宣伝物を置いてもらって読者の目に止まるようにするにはどうしたらいいかを考えました。

田中さんがラフから起こした『墜落JKと廃人教師』の販売台

施策事例2:『ならしかたなし』の場合
「作品のもつ魅力を最大限に活かせる宣伝方法を」

ならしかたなし』は奈良県を舞台にしたご当地マンガだったのでご当地を中心に宣伝しました。

奈良の交通広告や試し読み小冊子一万部配布、奈良駅でうちわを配布し、すごく盛り上がりましたね。夏に発売されたので駅で配った一万部のうちわは大盛況でした。東大寺と奈良公園にいる人達でならしかのうちわを持ってない人はいないってくらいでした(笑)

近鉄奈良駅でうちわを配布したときのメンバー

この作品はギャグだから普段はこんなに大きなことはできないんです。でも、チームがまとまって下準備をしてちゃんとしたプロセスを踏んだからこそやらせてもらえました。新人作家さんでも売りますっていう土台を私たちが作るので安心してください。

「馬力のある新人作家さん求む!」

――これから新しい作家さんを発掘する場として、「マンガラボ」がスタートしますが投稿を考えている方にコメントをお願いします。

白泉社は、「やりたいです」っていう熱意に「いいよ」って受け入れてくれる部分がすごくあるので、どんな新人作家さんでも担当編集・販売・宣伝がうまくバックアップしていけると思います。

宣伝部としては、この作品でやりたいなってことが増えてくると、次の巻ではこれ、その次ではこれをやろうって色々考えるので、たくさん描いてどんどんコミックスを出してくれるとたくさん宣伝する機会が増えて嬉しいです。

憧れの芸能人になんちゃってポスター出て欲しいなんていうこともあれば宣伝部はがんばりますよ(笑)

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