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2024-06-03

祝・マンガラボ!5周年記念インタビュー!! 第5回/木ノ枝純先生

2019年3月に本格オープンしたマンガラボ!は、おかげさまで5周年を迎えました!

それを記念して、3年ぶりにマンガラボ!出身作家さんと担当編集の対談企画が復活! 知っているようで知らないマッチングしてからデビューまでのお話や、連載にまつわるエピソードに答えていただきました!
第5回は、現在マンガParkで『元農大女子には悪役令嬢はムリです! 』(原作:早田結先生)を連載中の木ノ枝純先生です!

♡『元農大女子には悪役令嬢はムリです』はコチラから
♡木ノ枝純先生の作業環境プロフィールはコチラから

♡担当編集にしやんへのインタビュー「31の質問でマンガラボ!&マンガParkを丸裸♡教えて!にしやん先輩!!」はコチラから

マンガラボ!に投稿したきっかけとマッチングの経緯を教えて下さい!

木ノ枝純 :マンガラボ!を知ったのは、SNSかネットでマンガ投稿サイトを検索して、だったと思います。気軽に投稿できそうだったのと、キャラの立ち絵コンテストみたいなものもあって、描いてみたくて投稿しました。

Parkにしやん :「占いホスト」キャラクターデザインコンテストですね。これが木ノ枝さんの初投稿でしたね! マンガラボ!はイラストも投稿できるのが特徴ですが、それが投稿の動機になって良かったです。

木ノ枝純 :そのあと4Pマンガコンテストが開催されていることに気づき、すぐに投稿しました。実はマンガ家の夢を諦めるか悩んでいた時期だったので、4ページなら……描ける!!と勢いで描いた記憶があります(笑)。投稿して数日で編集さんからコメントが届き、キャラの表情が良いと褒めてくださり、1番力を入れたかった部分が伝わったのが嬉しかったです。

Parkにしやん :「ほんとのキミを知りたい」はマンガラボ!で今でも読むことができますが、憧れの先輩がとても可愛かったのでそれをお伝えした記憶があります。後輩もデートできてガッツポーズしていたり、初々しい恋が描かれていて素敵でした。この作品を見てすぐにオファーを出させていただきましたが、マッチングできた時は私もガッツポーズしましたね!(笑)

最初に担当編集と打ち合わせしたときのエピソードを教えてください。

木ノ枝純 :担当さんと初めて打ち合わせしたのは、マンガラボ!の4Pマンガコンテストで賞をいただいてからすぐだったと思います。とても緊張しましたが、いざ打ち合わせ場所のカフェに向かうと担当さんは物腰の柔らかい方で話しやすく、緊張はすぐに和らぎました。「お好きな飲み物とケーキ選んでくださいね」と仰ってくださったので、ほんと遠慮なく美味しいケーキをいただきながらお話ししたのを覚えています(笑)。

Parkにしやん :会社の近くで打ち合わせをしたのを覚えています。

木ノ枝純 :好きなマンガの話から始まり、リラックスしてお話をすることができました。その時に考えていたマンガのネタを広げてくださったり、どういったものが描きたいのかを熱心に聞いてくださり、何か自分では気づけていない長所を引き出してくれそうな印象がありました。

その後、コミカライズ作品を連載するまでにはどのような経緯があったのでしょうか?

Parkにしやん :木ノ枝さんは絵がとてもお上手でしたが、自分で「これを描きたい」というものが強くあるわけではなかったですよね。そこでコミカライズに取り組んでみましょうという提案をしました。木ノ枝さんがスローライフや農業を扱った作品がお好きとのことでしたので、その切り口から探しました。

木ノ枝純 :ストーリー作りが苦手な方なので、原作をもとに描かせていただけるのはありがたかったです。担当さんがピックアップしてくださった原作の中から魅力を感じた『元農大女子には悪役令嬢はムリです!』を選ばせていただいたのですが、すぐにお返事が届きコミカライズが決定して驚きました。原作を拝読し頭の中にはすでに情景が流れていたので、それらのシーンを描かせていただけるのは嬉しかったです。

Parkにしやん :原作者さんもとても喜んでくださったようでしたよね。いざ描き始めると大変なことはありましたか。

木ノ枝純 :原作の魅力をマンガにして伝えることができるだろうかという不安は常にありました。解釈違いになってないかな……とか。マンガの読みやすさを考えると、省略したり逆に足したりする部分もあったので……。

Parkにしやん :木ノ枝さんはきっちりスケジュール通りにネームを上げられるので、原作者さんには毎月ネームをチェックしていただいて、解釈違いになっていないかなどをチェックしてもらうことができていますね。指摘はほとんどなく、お褒めの言葉をいただく事がほとんどですが(笑)。ありがたい限りです。

木ノ枝純 :読者さんからの「面白い!」「楽しい!」というコメントもとても励みになりました。担当さんも、原稿を確認する際に良かった点を褒めてくださるので毎回ホッとしています(笑)。今後もクオリティを上げるために日々勉強を続けたいと思っています。

縦スクロールマンガ(Webtoon)制作の中で苦労されたことはありましたか?

木ノ枝純 :もともと見開きマンガしか描いたことがなかったので、コミカライズが決定して「縦スクロールマンガでいきましょう!」とお話をいただいたときは驚きでした(笑)。しかも以前に一度、縦スクロールマンガのコンペに落ちているので不安で……(笑)。初連載、しかも縦スクロールと、初めてのことだらけで「え?大丈夫かな?描き方合ってる?」と初めの頃はそんな状態で進めていました。

Parkにしやん :縦スクロールは私自身も初挑戦だったこともあり、一緒に試行錯誤しましたよね(笑)。ご自身ではどのように勉強されたのでしょうか?

木ノ枝純 :連載が決定してすぐに、縦スクロールマンガ作品をいくつか読んで研究しました。縦にスクロールして読む分、見開きマンガよりもページを進める速度が速くなりますので、コマとコマの距離が広いほうが読みやすかったり、あとは縦の長さを活用して迫力を出したりキャラの全身を入れて動きを出したり……1枚のイラストのような表現も有りだと思っています。面白い見せ方ないかな?と今でも模索しながら描いています。

Parkにしやん :他に従来のマンガ制作との違いはありますか?

木ノ枝純 :制作過程については、ネーム→ラフ・線画→カラー着色→仕上げといった流れで、モノクロマンガと大きくは変わらないです。トーン仕上げがカラーになるイメージかなと思います。大体の色指定はこちらで決めて、カラーと一部背景はアシスタントさんにお任せしています。いつも綺麗に仕上げてくださるので本当に助かっています……!

ロマンスファンタジー作品ならではの華やかな画面が魅力的ですが、何か心がけていらっしゃることなど教えてください。

木ノ枝純 :少年マンガ志望だったので、ロマンスファンタジーに登場する王子様系のイケメンを描くのがまず大変でした(笑)。でも描いていくうちにイケメンを描くのが楽しくなって、趣味の落書きとかでも描くようになりました。あとは、華やかなドレスが多く出てくるジャンルなので衣装デザインは毎回悩みますが、ありがたいことに、最近ではキラキラの宝石や可愛い柄の素材がたくさんあるので、組み合わせたりするのが楽しいです。楽しいけれど常に「センスが欲しい」と思いながら考えています(笑)。

Parkにしやん :木ノ枝さんの描く王子様キャラは本当にかっこいいです。

木ノ枝純 :そういえば、担当さんからネームのフィードバックをいただいたときに、王子様の仕草や行動のイメージが違ったことがあって……。すみません、その時は修正を全無視しました(笑)。人によって「王子様はこうであってほしい」という理想像が違うのって面白いなと感じた点でもあります。

Parkにしやん :(笑)。私も色々と提案してしまいますので、違うな、と思うときは引き続き全無視してくださいね(笑)。

木ノ枝純 :もちろん担当さんのアドバイスのおかげでキャラの動きが良くなったシーンはたくさんあります!(笑)

他に、担当編集とのやり取りで印象に残っていることはありますか?

木ノ枝純 :普段はしっかりしていて丁寧で真面目な印象なんですけど、時折、天然?な部分が出てくるので面白いです(笑)。

Parkにしやん :天然?ですか(笑)。

木ノ枝純 :お店で打ち合わせした後に出版社にお邪魔させていただくことになって、電車で向かったんですが、出版社がある方向と反対側のホームに立ってて(笑)。逆だと気づいたら「たまにやるんですよ〜」っていつもの穏やかな口調でスゥ〜っと移動されるんですよ。もう電車来てるのに。めっちゃマイペースだなって思いました。担当さんが焦ってるとこ見たことないです(笑)。

Parkにしやん :確かにそんなこともありましたね……(笑)。

木ノ枝純 :もし担当さんがマンガに登場するなら、おっとりとしたマイペースなキャラかなと思っています(笑)。

他誌でのデビューとマンガParkでのデビューについて、違いはありましたか?

木ノ枝純 :マンガParkでのデビュー当初は、自分の描きたいマンガのネームを切って見てもらって……という、他誌でもやっていたやりとりはありました。でもネームで行き詰まったらそれで終わりということはなく、担当さんから「YouTubeマンガやイラストを描いてみませんか?」とお声がけいただけました。

Parkにしやん :連載までにYouTubeマンガをいくつか依頼しましたが、回を追うごとに表現力が上がっているのを感じました! YouTubeマンガで試行錯誤したことが今に繋がっていますね。

木ノ枝純 :今回の縦カラーもそうなんですけど、色んな挑戦をさせていただけるところは他誌と違う点だと思います。それぞれの作家の強みを引き出して、面白い作品を作っていこうという気持ちを感じます。

出版社でマンガを作る利点や、担当編集がいて良かったことを教えてください。

木ノ枝純 :すぐにフィードバックがもらえるのは大きいと思います。今は個人でも気軽に作品を発表できる時代だと思いますが、世に作品を放つ前にプロの編集さんに見てもらえるのは心強いし学びにもなります。あとは収入についても、週刊連載で毎週お仕事をいただけるので安定します。以前、個人で創作活動をしたこともありましたが、それだけで生活は出来なかったです。焦りもあって生活リズムも崩れましたし、負のスパイラルに陥った時期もあります。心身ともに健康でないと気力もわかないので……。「読者さんに楽しんでもらえる作品を作ろう!」と相談もできて協力してくれる編集さんがいるのは、出版社でマンガを作る利点かなと思います。

Parkにしやん :そう言っていただけると嬉しいですね。ぜひ皆さんもマンガラボ!に投稿して、編集者と繋がっていただければと思います!

最後に、マンガラボ!に投稿する方へのメッセージをお願いします。

木ノ枝純 :マンガラボ!では頻繁にコンテストを開催しているので、デビューのチャンスはたくさん転がってると思います! しかもいろんなテーマで募集しているので「楽しそう!」と思えるテーマを選んで描けるし、新たなジャンルに挑戦するのも楽しいと思います。私も当時、思い立ったが吉日で投稿して良かったと思っています。編集さんから直接コメントをいただけるので自分の作品の長所を知ることもできますし、シンプルに色んな編集さんに作品を知ってもらえる良い機会なので、たくさん投稿して損はないと思います! 自分の「好き」や「楽しい」を大切にして、マンガ作品をたくさん生み出して盛り上げていきましょう!

Parkにしやん :皆さんのご投稿お待ちしております!

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木ノ枝純先生、ありがとうございました!

第4回は5/29(水)にeruko先生のインタビューを公開! お楽しみに!

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