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2021-07-16

祝・マンガラボ!2周年記念インタビュー!! 第4回境井ラク先生

2019年3月に本格オープンしたマンガラボ!は、おかげさまで2周年を迎えました!

それを記念して、マンガラボ!出身作家さんと担当編集の対談を掲載。知っているようで知らないマッチングしてからデビューまでのお話しや、連載にまつわるエピソードに答えていただきました!
第4回は、「マンガラボ!1周年記念 連載争奪 異世界マンガコンテスト」で期待賞を受賞し、現在は「五本腕の魔法使い」を連載中の境井ラク先生です!

「五本腕の魔法使い」が掲載されている『少年ハナトユメ』はコチラから

マンガラボ!に投稿したきっかけとマッチングの経緯を教えて下さい!

境井ラク :新型コロナウィルスが流行したことでマンガを発表する場がなくなってしまい、どうしたものかと考えているときにマンガラボ!に出会いました。独学でマンガを描いていたので、今後のためになるアドバイスがもらえるかもしれない!対面じゃないから怖くないし!と思い、投稿に踏み切りましたね。

花とゆめ平澤 :私は、境井さんが投稿していた読切「キメラと忠犬」を読んで担当希望をさせていただきました。キャラの設定や背景を“あえて徹底的に隠す”ことでキャラクターの魅力を引き出していて、この方の作品をもっと見てみたいと思ったからです。

境井ラク :投稿した次の日には編集者の方々からコメントが付いていて職場でひとり浮ついていましたね。いただいたコメント・アドバイスが自分の価値観と合っていそうだったので今の担当さんを選ばせていただきました。


投稿作「キメラと忠犬」はコチラで読めちゃいます!

マンガラボ!でマッチング後、初めての打ち合わせをしたときのことを教えて下さい!

境井ラク :最初の打ち合わせは緊張しました。プロフィールから男性であることはわかっていましたが、直接持ち込みをしていないので実際の雰囲気はわからなかったですし…。

花とゆめ平澤 :実は、私もめちゃくちゃ緊張しました(笑)。

境井ラク :そうだったんですね! 穏やかな方だったので心底安心したのを覚えています(笑)。

花とゆめ平澤 :編集者も最初は「どんな人だろう…」とドキドキしながら打ち合わせをしているんじゃないでしょうか。ただ、お互い知らない人同士ですが“マンガが好き”ということは共通していますから、すぐに打ち解けることができると思います。

先程、独学でマンガを描いてきたとおっしゃっていましたが、編集者と作品作りを始めて変化したことはありますか?

境井ラク :作品の修正に躊躇がなくなりました。以前の私は完璧主義の気があったので「修正をもらう=悪いこと」だと思っていたのですが、担当さんからの修正を反映させる度に良くなっていくことに気がついたんです。それからは叩き台のプロットやネームを送ってどんどんコメントをもらうようになりました。

花とゆめ平澤 :そう言っていただけるとなによりです(笑)。

境井ラク :「よくわからなくなったので一旦お送りします」とメールの文面に書いて送ったりしてすみません。

花とゆめ平澤 :いえいえ、大歓迎です。私がプロットやネームを読む際には、作家さんが何のためにこのお話を描いているのかを想像した上で、いかに読者に届きやすくするか、を考えています。作家さんに伝える際は、修正をお願いした「理由」を丁寧に伝えるように心がけていますね。

境井ラク :だから私の中でも腑に落ちるんですね。

花とゆめ平澤 :そうかもしれないです。「理由」さえ汲み取ってもらえれば、私が言った通りに直してもらう必要はないとも思っていますし、境井さんはこちらの想像を超えた修正で戻してくださるので、直しを見るのがいつも楽しみです。編集が外側から考えたものよりも、作家さんの中から出てきたものの方が絶対に面白いって実感しますね。

境井ラク :これは編集さんと作家の相性次第だとも思うので、そういう方とマンガラボ!でマッチングできてよかったです。

担当編集からもらったコメントの中で印象に残っていることはありますか?

境井ラク :「五本腕の魔法使い」に登場するケヴェルという人外は、担当さんからの修正が入るまで全く違うデザインでした。

花とゆめ平澤 :そうですね。もっと丸々としていてデフォルメが効いた、愛嬌のある外見といいますか…。「五本腕の魔法使い」は、モンスターとの交流を経て主人公が成長する物語なので、相手のモンスターに親しみやすさがあっては、主人公を引っ張り、影響を与え、成長させるような役割は担い辛いと思ったんですよ。


かっこいいデザインに仕上がった人外・ケヴェルに注目!

境井ラク :色々な資料を送ってもらい、読者さんが求めるものと自分で描いて・動かしていて楽しいキャラの折り合いを見つける作業は楽しかったです。結果的にケヴェルは読者さんに好評なので担当さんに感謝しています!

花とゆめ平澤 :私もひと目見たときに「これだ!」と思いましたね!

少女誌「花とゆめ」が作る新WEB少年誌「ハナトユメ」に掲載するにあたって、少年×人外の異世界ファンタジーを描こうと思った理由を教えてください!

境井ラク :「私が好きだから」これに尽きます(笑)。種族が違うことによる価値観の違いとか体格差が大好物なんです。

花とゆめ平澤 :「少年」×「人外」という要素は、まさに境井さんの真骨頂でしたね。最近では決して超流行のジャンルというわけではないと思うのですが、結果が出て本当に良かったです。

境井ラク :そうですね。「花とゆめ」の増刊なので女性の読者が多いことも想定して、マスコットみたいなかわいいキャラを配置してリアクションさせたり、ギャグシーンはしっかりデフォルメを効かせるようには意識しています。そっちを気にして「緊張感がない」って修正入ることもありますが(笑)。

花とゆめ平澤 :ただ、「花とゆめの増刊なのだからこういうマンガにしなければ…」といったことは全く意識していません。白泉社の風土として、読者の方をちゃんと向いてさえいれば、やりたいものをやってみようという意気込みがある編集者は多いですよ。

  
デフォルメと戦闘シーンのバランスが絶妙!

少年マンガといえばかっこいい戦闘シーンが入ることも多いですよね。アクションシーンを描く時に意識していることはありますか?

境井ラク :他の作品を見て「かっこいい戦闘シーン」をたくさんインプットすること。私は特にアニメーターさんの作画を見るのが好きです。戦闘に不可欠な「動き」の見せ方において一番参考になると思っています。あとは、いろんな角度からいろんなポーズを描けると作画の幅が広がります。

最後に、マンガラボ!に投稿する方へのメッセージをお願いします。

境井ラク :投稿作が担当さんの目に止まってマッチングして、読み切りが掲載されて、それが連載になって。ここ1年の流れは自分の中では「運がよかった」としか言いようがないです。でも、何もしていなかったら何も起きていなかったのも事実です。投稿しようか迷っている方は、何はともあれ投稿しましょう。人に見せることにためらいがなくなれば動き続けられます!動き続ければ「当たり」の確率は上がります!

花とゆめ平澤 :そうですね。境井さんのように持ち込みを“怖い”と感じる方は、ぜひマンガラボ!に投稿して欲しいです。編集者は、作家さんの描きたいこと・得意なことをアピールして欲しいので完璧な作品でなくてOKなんです。気軽に投稿できるのがマンガラボ!の良いところだと思います。

境井ラク :あと、白泉社発の少年マンガがもっと盛り上がったら面白いなと思っているので、今回のインタビューが少年マンガを描く投稿者さんに届くことを願っています! 一緒に頑張りましょう!

花とゆめ平澤 :境井ラク先生の漫画が読める『少年ハナトユメ』は最新2号まで絶賛配信中です!

 

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境井ラク先生、ありがとうございました!

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