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2025-11-18

マンガPark作家コメントDay開催記念インタビュー!! 第3回/にーづま。先生

2025年11月20日(木)の「マンガPark作家コメントDay」まで、いよいよあと2日!

初のスペシャルイベントを迎えるにあたって、コメンテーターを務めてくれる作家さん4名&担当編集者へ突撃インタビュー!
マッチングからデビューにいたるまでのお話や、週刊連載ならではのエピソード、作品の裏話までたっぷり教えてもらいました。

第3回は、マンガParkで『王子に溺愛されたくないので元プリンセスですが男装執事になります!』を連載していたにーづま。先生です!

プロフィール
 にーづま。
マンガラボ!出身。2020年「異世界マンガコンテスト」に応募した『ラスボス魔王は待ちきれない』で準グランプリを受賞。
2020年マンガPark連載開始の王子に溺愛されたくないので元プリンセスですが男装執事になります!』(コミックス全10巻/紙・電子)が2025年8月に完結。同タイトルのTL番外編「初夜編」を1冊にまとめたコミックス(電子のみ)が2025年12月19日に発売予定。
作業環境プロフィールも公開中!

©にーづま。/白泉社

マンガラボ!に投稿したきっかけとマッチングの経緯を教えてください!

にーづま。 :サークル参加していた2019年のコミティア(※1)でマンガラボ!のチラシが配られていて、そこで初めてラボの存在を知りました。前からコメディワイド4コママンガを描いてみたいと思っていたことも重なって、ちょうど開催していた「異世界マンガコンテスト」に投稿したことを覚えています。

Parkふくしま :マンガラボ!経由でにーづま。さんの担当についた編集長から、2023年にマンガPark編集部へ異動してきた私が二代目を引き継いで、今に至ります。タイミング的には、『王子に溺愛されたくないので元プリンセスですが男装執事になります!』(以下『男装執事』)コミックス6巻の真ん中あたりからでしたね。


マンガラボ!「異世界マンガコンテスト」準グランプリ受賞作品『ラスボス魔王は待ちきれない』より

※…東京、関西、名古屋などで開催される自主制作漫画誌展示即売会。

初回の打ち合わせではどのようなお話をされましたか?

にーづま。 :最初の打ち合わせは白泉社にお邪魔して、世間話から描きたいストーリーの方向性まで、確か4時間くらい打ち合わせしました! 私がどんな要素に惹かれるかという話や、キャラ・設定のアイデア出しなど、本当に色々な話をしました。「令嬢もの」について会話している中で『男装執事』のもとになるようなお話も既に出ていましたね。あとは「無理に売れているジャンルに向かうより、自分の好きなキャラや話・要素・癖(へき)を描く方がいい」と言っていただけたのも覚えています。4時間と聞くと長く感じるかもしれませんが、不意に「それいいかも!」というアイディアが出ることもあったので、体力の続く限り話し続けるのも大切かもしれません

Parkふくしま :連載中も、電話打ち合わせで気づけば数時間……なんてことが何度もありましたね。にーづま。さんのすごいところは、好奇心旺盛でパワフルで、週刊連載で忙しいはずなのに雑談にも余念がないというか……! エンタメの話題に限らず「友達とこんなことがあって~」なんて話まで、いつも真剣に聞いてくれます。とにかく何にでも興味を持って吸収しようという方で、だからこそ生き生きとしたキャラクター達を生み出すことができるんだなあと思います。

初回の打ち合わせから作品の原形になるようなお話が出ていたということでしたが、連載をスタートするまではどのような道のりだったのでしょうか?

にーづま。 :企画出しから連載開始まで、1年くらいかかりました。『男装執事』は、実は最初は“復讐もの”として走り始めたんです。シリアスな雰囲気で、登場人物の設定・関係性もかなり複雑だったのを、明るく、コンパクトに調整して今の形になりました。編集長からのアドバイスで、当初は“金髪美少年”だったジュノン(ヒロイン・リリーが男装した姿)が“地味な黒髪執事”に変わったり、ヒーローであるラウルの横にもう一人イケメンを、ということでノアが生まれたりと、そんな道のりを経てようやく4話までネームが完成して、さあこれから作画!という時に、ふと「もう一回全部描き直した方がいいな」と思いまして。全修正して今の形になっています(笑)。

Parkふくしま :そうだったんですか!? 初めて知りました!

にーづま。 :「4話までをコミックス1冊にまとめましょう」という話だったんですけど、1巻として改めて読み直してみると「あまりキャラが立っていないな」と思ってしまって。違和感があるということは、直す余地があるということだと思って、迷わず描き直しを決めました。OKをもらっておきながら全部直します宣言をしてドキドキしていたんですが、結果「めちゃくちゃ良くなってる!」と言っていただけて安心しました。

Parkふくしま :どのキャラも個性豊かでキャラ立ちしまくってるな~としか思っていませんでした! 特にラウルはかなり印象的です。

にーづま。 :ラウルのキャラは、初回打ち合わせで「売れているものより好きなものを描く方がいい」と言ってもらえたことで生まれました。私は情けないところやダサい部分のあるキャラクターが好きなので……(笑)。喜怒哀楽が激しくて、“王道な少女マンガの王子様”というより“ラブコメの主人公”に近いような王子になりましたね。『美女と野獣』のように、最初はダメな王子様がお姫様とのエピソードを通してどんどん成長していく、というストーリーを意識して作っていました。

Parkふくしま :かっこ悪さを「おもしろいな」「可愛いな」って思わせてくれるラウルは、情けない男を愛する にーづま。さんにしか描けないヒーローだなと思います。しかも普段情けない分(笑)、かっこいいシーンで見せるギャップは天下一品です!


『王子に溺愛されたくないので元プリンセスですが男装執事になります!』第15話「王子は絶対に元プリンセスを譲れない」より(コミックス第4巻収録)

魅力的なキャラクターを生み出すコツは何でしょうか?

にーづま。 :私がマンガの師匠から教えられたことの一つに「キャラが完成した時点で、作者は勝手にキャラの行動を支配してはいけない」という教えがあって。つまり、勝手に動くようなキャラ・関係性になっていないと、そもそも成立してないということなんですよね。作者は「出来事」だけ考える権利があって、あとはキャラが動く、みたいなイメージです。「このセリフ言わせたいな〜」というのは作者の勝手で、そのセリフが自然に出てくるようなキャラを生まなきゃいけない。でないと取ってつけたみたいに不自然に感じてしまうので。そのキャラでどんなエピソードを作ったとしても、読者さんから常に「〇〇っぽいね!」という感想が出なきゃいけない、という考え方をしてみるといいと思います。すみません、超受け売りなのですが……!

Parkふくしま :詰め切れていないキャラだと上手く動いてくれず、結果ネームに行き詰まってしまう、というのは投稿者の方にもよくある悩みなのではと思います。にーづま。さん流の「こんなところに気をつけるといいよ」というアドバイスがあれば、私もお聞きしたいです!

にーづま。 :“1話につき各キャラ何回キャラ立てができているか”を数えてみるといいかもしれません。そのキャラを象徴するようなシーンって、実際に数にしてみると意外と少なかったりしますよね。例えば“クライマックス前のピンチの乗り越え方”でキャラ立てするなら、アクシデントをどう乗り切るかと、それに対する周りのリアクションで“そのキャラらしさ”が引き出されていくと思います。常にセリフと行動はセットで考えて、“周りを巻き込む印象的な言動”を意識してみるといいのではないでしょうか。

本編完結後には“初夜編”の短期連載もされていました。TLを描く上で、苦労されたことや意識されていたことを教えてください。

にーづま。 :普段は服で隠せる部分が露わになってしまうので「自分の画力でほんとに描けるか……?」という不安が一番大きかったです。人体の作画は他者を客観的に観察しないとわからないことだらけで、とにかく様々な媒体のものを見ました。それと、これはTLに限らずですが「前話・前巻よりカッコよく描こう」はマストで目標にしていました! ふくしまさんには毎回言っていますが、画力に自信がある人間じゃないので、ずっと自分の作画を疑ってます。常に「なんか変じゃない?」という気持ちで、「輪郭がおかしい」「目が違う」「パッとしない」とか、出力される絵をずーっと疑いながら毎日描いてますね……(笑)。少なくとも雑に見えちゃうのはもったいないので、丁寧さを伝えるだけでも商品としての価値は上がるはず、と考えてやっていました。

Parkふくしま :そんな心構えでいてくださったのにもかかわらず、“初夜編”には「ここは映せません」「ここは白いモヤで隠れます」と、描写を制限せざるを得ない場面がたくさんあったのですが……。そういう制約を守った上で最大級に色っぽく見せるための表現を追求されていて、にーづま。さんのプロフェッショナルぶりに改めて感動しました。あらゆるアングル・体勢が網羅された一作になっていますので、作画の教科書としてオススメしたいです。

にーづま。 :モヤの下は私とふくしまさんしか見ないと思うと儚いですね……。あとは、1話目のネームでふくしまさんと意見が別れて殴り合いになったのがいい思い出です(笑)

Parkふくしま :殴り合い……!(笑) 本編ではまだ一線を越えていないウブな二人に初夜でどこまでさせるのか?というイメージがなかなかすり合わなかったんでしたよね。“初夜編”の方向性自体を決める打ち合わせだったので、納得いくまで議論を重ねた記憶があります。それこそ4時間話した日もあったかもしれません。

にーづま。 :“少女マンガ”だった本編の1年後を“TL”として描くことになって、ジャンルのギャップと作中の経過時間のバランスをどう捉えるのがベストなのか? いい意味でのキャラ崩壊”をどこまでさせられるのか? と悩みました。“初夜編”と銘打っていますし、読者さんの期待を裏切らないラインまではがっつりやるつもりで、だけど10巻までの二人らしさは守らなければならないので、絶妙な塩梅を探るのにものすごく時間がかかりました。でも、応援してくれた読者さんの見たいもの・二人を描けるよう、もはやそこめがけて描いたと言って過言ではありません……!

Parkふくしま :結果的に、リリーらしい形でラウルの欲望を解放させつつ、精神的な攻守交替の流れを作ることで、本編では見られない二人の感情・表情がたくさん引き出された、大変濃厚な特別編を作りあげてくださいました。

そんな“初夜編”も含めると約5年半にもわたる連載となりましたが、振り返ってみて良かったこと・苦労話はありますか?

にーづま。 :良かった点は、自分の限界が知れること……(笑)。というのは冗談で、読者さんと一緒に5年半もの月日を過ごせたことです。5年以上追っていただけることは当たり前じゃないので、良かったことだらけですね……。元々長期連載をやってみたいなという目標もあったので、とても勉強になり成長にも繋がりました。コミックス10巻まで紙で続けられたこともありがたかったですね。編集部の皆様にもひたすら感謝です! 苦労した点ですと、マンガParkは週刊連載なので、まず「毎週締切があるのか……」という不安はありました。慣れないうちは時間との戦いでしたが、慣れるとテンポ感も掴めてくると思います!

Parkふくしま :いきなり「毎週平均8ページ描いてください」と言われるとギョッとするかもしれませんが、連載開始前には原稿を描き溜めていただける期間がありますので、週刊に躊躇される方もどうぞご安心ください! ただ、5年半ともなると描き溜め分の余裕はとっくに消化しきっていますし、コミックス作業などプラスアルファのお仕事も同時にこなされていたのは本当にすごいことです……。

にーづま。 :どの作家さんも恐らく体調不良を予定に織り込まずにスケジュールを組むと思うのですが(笑)、特に週刊連載は体力面でも精神面でも、体調管理が最重要だなと痛感しました。精神面では、いかに自己嫌悪に陥らずに気持ちを保ったまま楽しく描けるかが大事ですね。1~2巻の頃の私はとても焦っていて、過去の自分に「落ち着け」とアドバイスしたいです。マンガを描く時には感情が必要なんですけど、冷静さは常に忘れず、バランス良く自分を操れると良いですよね。

Parkふくしま :にーづま。さんは、今おっしゃったことを全てご自身でコントロールされているスーパー作家さんなのですが……。作家さんが健康に原稿を描けるようバックアップするのも編集者の仕事ですので、スケジュール調整の相談はもちろん「モチベ上げたいから褒めてほしい!」みたいなリクエストなんかも大歓迎です!

投稿者に向けて、マンガラボ!に投稿する利点・担当編集がいて良かったことを教えてください。

にーづま。 :気軽に投稿できることでキッカケを作りやすいと思います。自分の中だけで完結したらそこで止まってしまうけど、会話することで辿り着けるものもあると思うので、色んな編集さんからコメントがもらえる機会があるのは嬉しいですよね。もし担当編集さんがついても臆せずに、たくさん質問して、好きなことについてお話するのがいいと思います

Parkふくしま :作家さんの“好き”はマンガ作りに欠かせないものだと思います。マンガラボ!に投稿してくださる作品にも“好き”をたくさん込めてほしいですし、もし「これがどう自分のマンガに活きるの?」と思うことでも、編集者に話してみてください。一緒に武器を磨くお手伝いをします!

最後にコメントデーへの意気込みと投稿者へメッセージをお願いします!

にーづま。 :僭越ながらたくさんコメントさせていただきます! 基本的に、マンガは個人だけで描いて楽しむよりも多くの方に読んでもらうことで更なる楽しさに繋がると思うので、チャンスは広げられるだけ広げた方が自分の道も見えてくると思います。プロになってもトライアンドエラーなのは変わらないので、プロセスも楽しんで、たくさん作品描きましょう!

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にーづま。先生、ありがとうございました!

11/19(水)は第4回(終)「にむまひろ先生インタビュー」を公開いたします。
マンガPark作家コメントDayは2025年11月20日(木)開催! 今からイベント当日17:00までに投稿された作品には、プロの連載作家さんから直接コメントがもらえるかも!? 皆さまのご投稿を心よりお待ちしております!

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