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2018-12-27

編集長からすべての作家にラブコール! メロディ編集長・武田直子 魂の叫び!!

もし、「マンガラボ!」に投稿した作品に複数の雑誌の編集者からオファーが届いたら…あなたは誰を選びますか? 思ってもみなかった編集部から熱いオファーが届くなんてこともあるかもしれません。

今回は、各雑誌を代表する編集長から将来、白泉社の作家となるかもしれないみなさんへの熱いメッセージを聞いてきました! 個性豊かな編集長&編集部の魅力をご覧ください。

【調査隊チェック!】

1997年9月、「月刊MELODY」創刊。その後、2006年より発売日が隔月刊に変更された。『八雲立つ』(LaLaで1992~2002年連載)の続編『八雲立つ 灼』(樹なつみ)や、『ぼくの地球を守って』(花とゆめで1986~1994年連載)の後継作『ぼくは地球と歌う』など、「LaLa」や「花とゆめ」などで連載をしていたベテランの作家陣が、「メロディ」で多数活躍している。『大奥』(よしながふみ)や『花よりも花の如く』(成田美名子)、『秘密 season0』(清水玲子)をはじめとした、歴史物・ミステリー・サスペンスなど、壮大な世界観や緻密な設定に裏打ちされたドラマティックな作品が多い。また、河惣益巳、川原泉、魔夜峰央など、少女漫画の歴史を築いてきた錚々たる作家陣も名を連ねてきた。熱い漫画ファンに愛される、本格派少女漫画誌。

【武田編集長の推しコメ】

「メロディ」の読者は、連載作家さんの作品をずっと愛読してくれている30~50代の漫画好きな人が多いですね。雑誌のキャッチコピーは「心揺さぶる本格ドラマがいっぱい」。しっかり読み応えがあって、知的好奇心がくすぐられるものが好き…といった、大人の漫画読みの方々に支えられています。

「少人数だからこそ、作家と編集のマンツーマンでタッグを組めます」

「メロディ」編集部のメンバーは3人。他誌にくらべると少人数です。私のほかに、女性と男性が1名ずつで、この2名は入社10年目くらいのスタッフです。女性の方は、アニメや舞台が大好き。男性の方は温厚な性格で、絶対に怒らない(笑)。それぞれ好みや方向性は違いつつも仲良くやっています。

雑誌としての「メロディ」がこれまで培ってきた雰囲気はもちろんあるんですが、編集部の各スタッフの好きなものの傾向は、良い意味でバラバラなので、これからは、いろんな新しい試みを「メロディ」に取り入れていきたいなと思っています。

「花とゆめ」や「LaLa」は、新人作家を育てていくシステムが確立しています。毎月上がってくる何十もの作品の中から、数作品がコンペで選ばれるというプロセスがあるんです。でも「メロディ」にはそういうものは無いんです。ただ、持ち込みは常時受けつけていますし、既に他で作品を発表している方にも声を掛けさせていただいています。うまくマッチングできれば、作家さんと編集の2人でネームをブラッシュアップしていって、出来がよけば、掲載できる可能性も高い。勉強に例えるならば、学習塾じゃなく家庭教師のような「マンツーマン」に近い作品づくりができるんじゃないかなと思います。だから、うまくはまれば、「メロディ」はデビューのための近道なのかもしれません。

恋愛は描けない…でも独特の世界観が描きたい。そんな人を求めている

少女漫画というと「学園」とか「高校生」とか、頑張る主人公やキラキラ男子が描けなくてはだめだと思われがちですが、「メロディ」の場合、そういうものは全然描けなくても大丈夫です。むしろ、「恋愛は描けない、描きたくない」みたいな方は「メロディ」に来たほうがいいですよ! 男女のストーリーを描かなきゃいけない縛りもありません。男子だけ描いてもOKです。もちろん、硬派な作品の必要もないです。

少年漫画でも少女漫画でもなく、今までのどのカテゴリーに属するのかわからないけど、「こういうものを描いてみたい」と思っている人の、1つの選択肢として考えてもらえるといいなと。独特の世界観を描ける人が、欲しいです。

「メロディ」には大作や重厚な物語が多いので、良い意味でその箸休めになるような、ライトに読める作品を描ける人にも来てほしいです。メロディで以前『男の華園-A10大学男子新体操部』を描いていた桑田乃梨子さんのような、ちょっと「味があって面白い作品」とか、食べ物をおいしく描ける人もいいですね。

「メロディ」は隔月刊、つまり年に6冊の発行なので、1年の中で掲載できるチャンスは他誌に比べると少ないんですが、それでも、ちょっとした空きページで短編を載せられるチャンスは結構あるんです。それと、アプリ「マンガPark」でも、「メロディ」編集部が担当している作品もあるので、そっちでの掲載の道もある。もちろん、「マンガPark」で反響が良ければ、雑誌に載ることもあります。

「即日デビュー賞」から決まった「メロディ」本誌掲載

白泉社では、持ち込み当日にデビューが決まる「即日デビューまんが賞」をやっています。今年7月にあった「即日デビューまんが賞」で「メロディ」賞を取った樫野宇季さんには、短いページ数でネームを描いてもらいました。短いのにテンポも良く面白かったので、すぐに原稿を描いてって話をして。とんとん拍子で掲載が決まったんです。高校生の男女の、淡い恋の話なんですが、小道具をうまく使っていて。大切な人は一番近くにいたんだねって気づく…といったストーリーです。「メロディ」の読者は大人の読者の方が多いけれど、読んでいる人にも学生時代があって、ちょっと懐かしさというかキュンとしてもらえたらいいなと。連載作家さんはこういう作品を描かないので、新鮮でいいなと思っています。ぜひ読んでみて下さい! 短いページ数でも誌面になるべく出してあげたいなと思うし、担当編集と編集長の私が見てOKだったら、素早く判断して載せられちゃうんです。

樫野宇季先生「きみと隣のワンダーランド」メロディ2018年12月号掲載

「ひとつ職業を持ちながらマンガを描くのもあり」

「マンガラボ!」のいいところは、今までの漫画賞みたいに、何十ページ描き上げないといけないという決まりがないことですね。なので、情熱さえあれば短くてもいいから、気負わず描いて投稿して欲しいです。話の出だしだけ思いついたとか、お話としてはまとまっていなくても、こういうキャラでこんな設定で描きたいっていう想いが伝わってくるような作品とか、気軽にいっぱい出してくれるといいなと思っています。

マンガ原稿用紙に規定のサイズで描かなきゃとか、この雑誌はこういうテイストだからこういう作品じゃなきゃダメだよね…といった、セオリー通りに描かなきゃいけないみたいなことも、気にしなくていいと思います。

たとえば、違う仕事をしているんだけどちょっとマンガを描いてみようとか、ふだんは同人として描いているんだけれど、一歩外に出てみたいとか、そういう人にもぜひ「マンガラボ!」に投稿をして欲しいなと。

マンガ賞に応募してくれる方は、マンガにかけて、マンガだけで食べていこうという決意をもっている方も多いと思うんですが、連載を持ちコミックスが売れるようにならないと、なかなか食べていけないのが現実だったりもします。昔は退路を断つ覚悟で賞に賭ける!くらいの想いだったかもしれないですが、ラボ!にはもっと気軽に来て下さい。仕事、勉強、子育ての息抜きに!

「マンガラボ!」ではいろんな才能と出会えたらなと思っています。期待はすごくしていて、本当に「メロディ」に来て欲しいなと。

「編集はマンガを売らないと意味がないと思ってやっている

自分の作品について感想をもらえる場所は、ネットを含めていろいろあると思います。それでも編集と組むメリットは何?という話ですが、「編集」はマンガを売らないと意味が無いと思ってやっているということでしょうか。「編集」は、どれだけ多くの人に届けられるか、売れるためにどうすればいいか、みたいなことを考えてアドバイスをしている。いろんな意見を聞くのはいいけれど、意見が多すぎるとよくわからなくなってしまうと思うし。ちゃんとマンガを「売りたい」と思っている「編集」だからこそ、たぶん一番責任を持ってアドバイスができると思っています。

担当する「編集」が新人の場合は、ノウハウや過去の経験則がそこまで無い場合もあるかもしれない。けれど「何とかしたい」という情熱は、普通に読んで面白いよといってくれる人とは一と百くらい違うと思います。白泉社の編集はみんなマンガ好きばかり。「売れるマンガ」の法則なんてものはないので、そういう熱い「編集」の気持ちを信じてくださいとしか言いようが無いですね。

 

「マンガラボ!」編集チームが見た「こんな人におすすめ」

「マンガラボ!」を通して、いろんな新しい才能との出会いに強く期待をよせている武田編集長。数々のベテラン作家に寄り添っている編集部だけに、安定感や包容力のようなものを持っていると感じました。少女マンガでも少年漫画でもない、でも「描きたいものがある」という思いをもっている方に、オススメです。マッチングに成功した際には、阿吽の呼吸の編集部スタッフたちが、真剣に向き合ってくれるはずです。

 

偶数月28日発売

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