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2024-03-04

祝・マンガラボ!5周年記念インタビュー!! 第1回/五里ムチュウ先生

2019年3月に本格オープンしたマンガラボ!は、おかげさまで5周年を迎えました!

それを記念して、3年ぶりにマンガラボ!出身作家さんと担当編集の対談企画が復活! 知っているようで知らない、マッチングしてからデビューまでのお話や、連載にまつわるエピソードに答えていただきました!
第1回は、現在マンガParkで『黒天狗の溺愛婚』を連載中の五里ムチュウ先生です!

♡『黒天狗の溺愛婚』はコチラから
♡五里ムチュウ先生の作業環境プロフィールはコチラから

マンガラボ!に投稿したきっかけとマッチングの経緯を教えて下さい!

五里ムチュウ :元々SNSに4Pマンガを上げていたのですが、憧れの白泉社さんが少ないページ数でも編集さんが見てくださるというので早々に飛びつきました。かなり前のことなので記憶が朧気ですが、百合マンガでマッチングしたような気がします。

Park西田 :五里さんの作品の第一印象は「とにかく絵とノリがいい!」。ポップで可愛い絵柄で、男女の恋愛でも百合でもキャラづけと関係性にしっかり萌えがあり、キャラがいきいき動いている…そんな作風に心を掴まれました! 最初に投稿いただいた2作品プラス、ラボ!にアップされてない続きの部分までネットで探してから、熱めのコメントをしましたね。服のシワと後頭部の形がいいとか、だいぶ細かいところを褒めてました。

五里ムチュウ :メールで私のマンガの好きな所をたくさん挙げてくださって「褒めて伸ばすタイプの担当さんだ!やったー!」と喜んだ記憶があります。

初回の打ち合わせではどのようなお話をされましたか?

五里ムチュウ :丁度コロナが流行っていた時だったので、電話でお話ししました。声だけですが、朗らかな雰囲気の大人なお姉さんという印象を受けました。

Park西田 :最初の打ち合わせでは、五里さんの人となりを知るために、好きなマンガやマンガ以外の好きなものなどをお伺いしました。世界遺産の勉強をされているとか、意外な方向に幅広くアンテナを張っていらっしゃって、「これは掘り下げ甲斐があるぜ…!」と感じたのを覚えています。興味の幅が広く柔軟でいらっしゃるので、連載提案にむけてジャンルなどをリクエストしても、かなりフラットに受け止めてくださって非常に助かりました!

五里ムチュウ :お話ししていく中でカッコイイお姉さんキャラが好きという共通点があってホッとした記憶があります。

担当編集からのジャンルリクエストもあったとのことですが、立ち上げのときの思い出や苦労したことを教えてください!

五里ムチュウ :確かBLかTLどちらか迷っていたのですが、私が「女の子が描けないと病む」と思い、女の子が描けるTLを選びました。キャラクターについては、少女マンガ用に考えていたキャラがTLでも良さそうだったので提出してみたら、ほぼそのまま採用という形で…。

Park西田 :実は、最初にご提出いただいたキャラ表が2案あって、杏樹と透輝はそれぞれ別ネタのキャラとして描かれていました。ただ、それぞれの相手キャラよりも杏樹と透輝のほうがお似合いに見えたので五里さんに聞いてみたら「実は元々その2人がカップルのネタがありました」と(笑)。じゃあこの2人でいきましょうよ!という話になり、『黒天狗の溺愛婚』ができ…。

五里ムチュウ :そういえばそうでした(笑)。

Park西田 :キャラクターの力を感じる出来事でした。この2人は運命…!

五里ムチュウ :TLマンガということで、1話から濡れ場を用意する為に「天狗が攫って嫁にすれば説明不要で濡れ場を入れられるぞ!」と考えたのですが、担当さんから猛烈なストップがかかり、今の嫁入りの風習が追加されました。透輝が天狗なのはこの名残です…。そもそも私のTLマンガへの理解が乏しく、男性向けエロマンガのようなネームを書いたら「ちがーう!!!」という感じで担当さんに大修正されました(笑)。そして大量のTLマンガのデータと書籍が送られてきて、『TLマンガとはかくあるべし!』という作法を学ぶTLマンガ修行が始まりました。

Park西田 :その節は大変お手数をおかけしました…。しかし貪欲で吸収の早い五里さん、めきめきとTLパワーを身につけられて、ネームがどんどん面白くなっていって感動した記憶があります。

五里ムチュウ :ネームを改めて描き直すという作業が一番苦労しました。本当に大変だった……。

TLマンガならではの制作エピソードなどもお聞きしたいです!

五里ムチュウ :他のマンガでは描けないような、ヒロインの感じてる顔やヒーローの興奮してる顔が描けるので、そこに楽しさを見出して描いてます。エッチなシーンを描くコツは、私の場合は「密着感!」「体が重なってる感じ!」というのが伝わるように心がけてます。ただものすごく難しいです。でも描けると達成感がありますし実際エッチなシーンになれてる気がします。

Park西田 :はい、本当にめきめき力をつけていらして素晴らしいです。

五里ムチュウ :打ち合わせでは「では、ここらで一度ビクビクさせていただいて…」とか杏樹が鮮魚かな?と思うような言い回しが時々出てきて面白いです(笑)。

様々な苦労を経て連載が始まった『黒天狗の溺愛婚』、お気に入りのキャラやエピソードを教えてください。

五里ムチュウ :やっぱりメインの2人はお気に入りですね。なのでできるだけ長く続けられるようにしたいです。私は杏樹のような咬ませ犬みたいな女の子がメインのマンガを世の中に1つでも増やす為にマンガを描いているので…(笑)。ヒーローも男っぽい奴が1人でも増えろ…と思いながら透輝を描いているので、ほぼ布教活動です。

Park西田 :そんな野望が(笑)。お気に入りのエピソードはどれでしょう?

五里ムチュウ :やっぱり3話ですね…。基本TLマンガなので濡れ場は極力入れるべきなのですが、どうしても雰囲気を壊したくなくて相談したところ、担当さんに「濡れ場と同じくらい読後に満足感があればいいですよ」と結構高めのハードルを課された中でネームが通ったこともあり、かなりお気に入りです。特に杏樹が片思い相手の願いを願うシーンとそれにショックを受けるシーンは描けて悔いなし!という気持ちです。その後その場から立ち去る杏樹のシーンも好きです。

Park西田 :あそこの杏樹は切ないですよねえ…。

五里ムチュウ :切ないといえば…。私は物語の“谷”の部分を書くのが大好きなのですが、以前の私はこの“谷”を“山”だと思っていて、担当さんに「五里さんが言う“山”は世間でいう“谷”です…!!」と言われて「嘘!?」となったのが一番印象に残ってますね。色んな所で「最後の盛り上がりに欠ける」という批評を受けてた謎が解けた瞬間でした。

Park西田 :ありましたね(笑)! 五里さんはキャラが“曇ってる”のが好きで、それが五里さんにとっての“山”だというお話をされてびっくりしました。もちろん物語においてガーンと落ちる部分は必要ですし、作家さんのフェチなので大事にしつつ、多くの読者が見たいのは“曇る”展開のその後どう盛り上げるか!?という部分。その両方を達成できるようにご調整いただきました。

五里ムチュウ :私の中では盛り上がってたんですよ…(笑)。

五里先生は他誌でのデビュー経験があると思いますが、マンガラボ!からマンガParkへのデビューについて、他誌との違いはありますか?

五里ムチュウ :連載を始められるスピードがとにかく違います。早く連載の経験を積みたい、実績が欲しいという方にはオススメだと思います。あと無名の新人の作品でも定期的にプッシュしてくれます! これが一番有難いです…!!

Park西田 :連載開始までのスピード感は、マンガPark編集部としても非常に重視しているポイントです! 「従来のシステムよりも、作家さんにできるだけ早く活躍していただけるように」というソウルで立ち上げたのがマンガラボ!。連載経験のない新人作家さんでも、編集部員が連載までしっかりサポートできる体制が整っていますので、臆せず飛び込んできていただけるとありがたいですね。

最後に、マンガラボ!に投稿する方へのメッセージをお願いします。

五里ムチュウ :マンガラボ!の編集さんはちゃんと作家を育てつつ作品作りをしてくださる方々ばかりですので、ガンガン投稿して編集さんを振り向かせましょう! そして恥じらいは捨てましょう!  恥じらいはマンガ家にとって毒です!!

 

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五里ムチュウ先生、ありがとうございました!

第2回は4/8(月)に上田つむぐ先生のインタビューを公開! お楽しみに!

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