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2024-04-08

祝・マンガラボ!5周年記念インタビュー!! 第2回/上田つむぐ先生

2019年3月に本格オープンしたマンガラボ!は、おかげさまで5周年を迎えました!

それを記念して、3年ぶりにマンガラボ!出身作家さんと担当編集の対談企画が復活! 知っているようで知らない、マッチングしてからデビューまでのお話や、連載にまつわるエピソードに答えていただきました!
第2回は、現在マンガParkで『魔王様とハッピーエンド~転生姫と首輪~』を連載中の上田つむぐ先生です!

♡『魔王様とハッピーエンド~転生姫と首輪~』はコチラから
♡上田つむぐ先生の作業環境プロフィールはコチラから

マンガラボ!でデビューした時のことを教えて下さい!

上田つむぐ :会社員でマンガ家になりたいけど、自分が目指せるのか……と悩んでいた時にマンガラボ!にたどり着きました。受賞と合わせて担当も付き、「まさか、自分がベテランの先生方の多いメロディ・花ゆめAiの賞を!?」と夢みたいでした。スタンプやコメントももらえてとても嬉しかったです!

今の担当編集者は2代目なんですね。引継ぎの雰囲気はいかがでしたか?

上田つむぐ :前担当さんが異動になるということで、初めてお会いしての引き継ぎで、かなりドキドキしていたのを覚えています。前担当さんから、青木さんは編集部に入ったばかりと紹介されて、私もマンガ家としてスタートするのに、お互い大丈夫なのか……と初対面では失礼ながら思ってしまったのですが……(笑)。

メロディ青木 :私が初期配属でメロディ・花ゆめAi編集部に入った直後でしたね。おっしゃる通りで、私も手探り状態だったので頼りなく映っていたかもしれません(笑)。

上田つむぐ :確認や質問ばかりの私に丁寧に対応してくださって、絶対この担当さんの為に連載取るぞと決意しました

マンガラボ!での受賞後、「メロディ」に読切作品(※)が掲載された時のことを教えてください。

上田つむぐ :没やリテイクを繰り返して、ようやく世に送り出せたな……という気持ちでした。初稿のネームでふわふわしていた描きたかったものが、前担当さんと作りあげた完成原稿でビシッと形になったので、自分の中でも大切な一作になりました。雑誌に載ったこともあり、普段マンガを読まない親族から「マンガ読んだよ」と連絡をもらったり、母から掲載誌を何冊も買ったよと連絡が来たり(笑)。世にマンガが出るって、色々な人に読まれることなんだなと実感しました。

メロディ青木 :作品に反応をもらえると嬉しいですよね。雑誌だと形として残るのも良いですし。メロディでデビューして、そういった体験をしていただけたのが本当に良かったです。

※…『遊星歯車紀行』「メロディ」20232月号掲載。

そこから本格的な二人三脚での連載スタートを迎えるわけですが、第1話ができあがるまでの経緯を教えてください。

上田つむぐ :青木さんと「雑誌とは違う、アプリの読者層に向けたマンガを作ろう!」と、ジェットコースターのように楽しく展開の早いストーリーにしようと走り始めました。

メロディ青木 :マンガPark向けの連載案として「異世界転生ものを1つ出してほしい」とリクエストし、その時いただいたネタからこの企画が始まりました。

上田つむぐ :「異世界転生ものラブコメ」を出してみたものの、ラブコメをあまり描いたことがなく、キャラクターの味付けの濃さをどうするかで苦戦しました……。最初のアイデアはちょっとパンチが弱く、マンガParkの読者様ならもっと刺激的な方が……!?ということで、リリィのMっ気とヴァレンタインの大きなギャップが追加されていきました。

メロディ青木 :今のリリィを初めて見た時、上田さんが今まで描いたことのないタイプのキャラクターでびっくりしたのですが、すごく面白い主人公だと思ったので、この企画でいきたいと伝えました。1話のリテイクが多くてとてもしんどかったと思いますが、テンポのよい展開の中でキャラクターの魅力が伝わる1話目にできたと思います。

キャラクター作りに苦戦されたということですが、担当編集を唸らせた主人公はどのように生まれたのでしょうか?

上田つむぐ :リリィのキャラクターは自分や周りの友人たちを参考にしています。友人からは、推し活や好きなものの話をしている私にそっくり(笑)と言われますが、私はこんなに元気なオタクじゃないと自分では思っていて……。「こんな子と友達になったら面白そう」という憧れのオタク像としてリリィのキャラクターを作りました。

メロディ青木 :推し活描写は上田さんの経験と想像力の賜物ですね。プロットでもざっくりと打ち合わせをしていますが、詳細はネームで初めて読むので、毎回リリィの行動を楽しみにしています。自分の欲望ではなくて推しの幸せが第一にあるのがいいですよね。

上田つむぐ :読んでくれた人にも気持ちのいいオタクだなと思ってもらえていたら嬉しいです!

周りのキャラクターについてはいかがでしょうか?

上田つむぐ :「この立場・設定だったらこんなキャラが美味しい」と、理想とギャップをつめこんで作っています。例えば、魔王様のヴァレンタインは「ドS完璧だと思ったら不器用気弱だった」、王子様のアルバートは「ナチュラル優しいと思ったらドSだった」など。

メロディ青木 :みんなキャッチーな魅力がありますよね。上田さんは自分のキャラクターに愛をもって描かれているので、言葉遣いや表情も細部までこだわっていますよね。

上田つむぐ :自分のキャラクターは全員大好きなのですが、描くのが楽しいのはオランジェです。悪役顔は描くのが楽しいですね。青木さんのお気に入りのキャラも知りたいです。

メロディ青木 :私はシェルさんが好きです!  腐女子設定が最高なのはもちろん、リリィとの絡みも面白いですし、物語を展開していく上でも欠かせないキャラになってくれました。

上田つむぐ :もうすぐ最終回を迎えますが、リリィがジェットコースターのように振り回したヴァレンタインがどう変わっていったのか、是非、最後まで見届けていただきたいです! 振り落とされないでください!!

当初はマンガ家と編集者になりたてだったお二人ですが、現在の打ち合わせシーンを教えてください。

上田つむぐ :ネームや原稿を提出すると面白いです!かっこいいです!と声をかけてくださるので、担当編集であり一番最初の読者だと思って、楽しんでもらえていると嬉しいな……と思っています。

メロディ青木 :作品の打ち合わせが終わった後は最近見た作品の話などをしますが、上田さんはインプット量が多いのでいつもびっくりしています。おすすめすると、「それ読みました!」「観ました!」と言われることも結構多いです(笑)。

上田つむぐ :自分の好きなものだけ見ているとジャンルが偏るので、自分が普段見ないものもおすすめしていただいて、ありがたいです。常に刺激をいただいています!

上田先生は、今も会社員をされながらマンガを描かれていますよね。兼業で連載をする苦労などはありますか?

上田つむぐ :打ち合わせや作業の時間が限られているので、お忙しい中柔軟に対応いただいていて本当にありがたいです。

メロディ青木 :上田さんはお仕事の都合もあって生活リズムが一定なので、むしろお仕事しやすいぐらいに思っています。深夜か朝1にネームをもらって、日中にメールで意見を共有しておき、夜にそれを踏まえて打ち合わせ……のような流れが多いですね。上田さんご自身は、スケジュール管理などどうされていますか?

上田つむぐ :とにかく気合と根性です! 毎日コツコツ1ページでも作業をするのを心がけています。描いている間に楽しくなってしまって「もう寝るべき時間過ぎてる!」となるのが大変ですね。それと、私の場合は職場に兼業を伝えているので、締め切り前にお休みをいただくこともありますね。応援してもらっているのでありがたいなと思っています。副業OKな会社も今は多いので投稿者さんもチャレンジするチャンスは諦めないでほしいです!

メロディ青木 :上田先生の職場の理解もあった上で、連載開始前に多めにストックを作り、おまけ回を入れるタイミングなども相談して進めました。無理のない範囲で、読者に安定して作品を届けられるように準備をできたのは良かったと思います。

最後に、マンガラボ!に投稿する方へのメッセージをお願いします。

メロディ青木 :短いページでも投稿してみれば、担当が付くかもしれないし、編集からのコメントの中に参考になる内容があるかもしれない。世に出してみて、人に見せてみて初めて分かることもきっとあります。弊社のマンガ好きの編集たちがあなたの作品をお待ちしています!

上田つむぐ :作品を描き上げるのも投稿するのも、すごくハードルが高く感じると思います。それでも、自分の中でマンガを描きたい!という気持ちがあったらどうか、世に出してください。一人かもしれないし、十人、百人かもしれない、もっといるかもしれない! 編集様方を含め、貴方のマンガを読みたい。読んでよかった!と思う人がこの世のどこかにいます。一緒に世にマンガを送り出しましょう!

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上田つむぐ先生、ありがとうございました!
『魔王様とハッピーエンド~転生姫と首輪~』最終回は2024年4/30(火)更新予定です。ぜひマンガParkをチェックしてみてください!

第3回は5/6(月)に愛葉もーこ先生のインタビューを公開! お楽しみに!

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