祝・マンガラボ!5周年記念インタビュー!! 第7回(終)/ぼくじゅう先生

2019年3月に本格オープンしたマンガラボ!は、おかげさまで5周年を迎えました!
それを記念して、3年ぶりにマンガラボ!出身作家さんと担当編集の対談企画が復活! 知っているようで知らないマッチングしてからデビューまでのお話や、連載にまつわるエピソードに答えていただきました!
ラストを飾る第7回は、現在マンガParkで『ましおとなぎ 』を連載中のぼくじゅう先生です!
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マンガラボ!に投稿したきっかけとマッチングの経緯を教えてください。
ぼくじゅう :今までの目標に一区切りがついて、新しい学校へ入学するまでにある程度時間があったんです。その時期に「ちょっとだけマンガを描いてみようかな〜」「ちょっと枚数増えてきたからマンガラボ!に投稿してみようかな〜」と投稿しました(※)。マンガラボ!の存在は元々知っていたので、力試し!という軽い気持ちと、ちょっとだけでも反応がもらえたら嬉しいなという気持ちでした。投稿してからの反応自体はそれほどあったわけではないですが、1週間後くらいに知らない編集者さん(花ゆめ平澤)からのコメントがあってとてもびっくりしました。
花ゆめ平澤 :絵柄といい作風といい、画面から出てくる空気感がとてもかわいくて、ほんわかと温かくて「これは絶対にこの人にしか描けないマンガだ……!」と思ったことをよく憶えています。あとはキャラの細かな言動に凄まじい拘りを感じました。普通であれば思いつかないような変わったエピソードでも、その中でキャラクターならではの魅力をちゃんと見せられる方だなと……。
ぼくじゅう :「こんな数ページなのにこんな長文を送ってくれるのか!」と怖くなったり申し訳なくなったり……。
花ゆめ平澤 :勢いそのまま長文を送り付けてしまったので、怖がらせてしまったなら申し訳ないです……(笑)。
ぼくじゅう :でもそれ以上にとっても嬉しくて、その時のコメントは大事にスクショして凹んだ時に読み返しています。
※…担当編集からの熱いコメントがついた投稿作品『白畑くんと黒塚くん』
最初に担当編集と打ち合わせをした時のことを教えてください。
ぼくじゅう :こんなに見てくれていた編集者さんならぜひお話ししてみたいなと思い、意を決してマッチングボタンを押しました。後に届いたメールもとても丁寧で、返信も早く、「良い編集さんなんだろうな」とぼんやり思っていました。
花ゆめ平澤 :実際にお会いすると、本当に作品を読んだ通りそのまんまの印象で「優しくて良い人だ~!」と思いました。こういったお人柄がこのマンガを生んでいるんだな……と思って謎に感動した記憶があります。
ぼくじゅう :私の方も、実際に初めてお話しした時は「話しやすい!良い人!」と特に緊張感もなく楽しくお話ができました。今思うと、話しやすさ故に色々長々とすみませんでしたと恥ずかしい気持ちにもなります……。
花ゆめ平澤 :話しやすい人と言ってもらえて何よりです(笑)。僕も話しやすい人だなと思ったので、息が合ったのかもしれないですね。
ぼくじゅう :共感力が高い方なんだなと話しながら感じていて、この方となら頑張れそうだなと、初っ端から信頼感MAXで打ち合わせを終えました。
2024年4月に連載1周年を迎えた『ましおとなぎ』ですが、作品はどのように誕生したのでしょうか?
ぼくじゅう :元々、雑誌(「花とゆめ」)用に高校生とちっちゃい子系のネームを出していたのですが、花とゆめ編集部の中で「これをマンガParkで連載してみるのはどう?」というお話が出たそうで。一年ほどネームがボツ続きで、学校の卒業も控えていて色々と悩んでいた頃だったので、涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。
花ゆめ平澤 :ぼくじゅうさんの仰る通り、当時は何度ネームを上に見せてもボツが続いた時期で、もう少し作風を変えていった方がいいのかな……?と方向性に悩んでいました。でも「ぼくじゅうさんは今のままでいい」と言ってくれた先輩編集者がいて、じゃあこのままの方向性で、その分ぼくじゅうさんの良さがもっともっと伝わるような作品にしよう!と……。それまで暗い洞窟をうろうろしていたら、目の前に光が差したような感覚がありましたね。
ぼくじゅう :「こうなったらめちゃくちゃにかわいい子を後悔のないように描こう!」と意気込んで、高校生とちっちゃい子のコンビ案を数パターン出し、平澤さんにどれが良いか相談しました。候補の中では選ばれないだろうなと思っていた「マネージャーと子役」を平澤さんが推してくれて、それじゃあなんとかして描こうとなり、『ましおとなぎ』ができました。最初は真潮の天使と悪魔の振り幅が狭く、私自身も彼を理解していなかったこともあり、「この子をどう動かしていけば良いのだろう」とでかい壁にぶち当たった感がありましたが、平澤さんの助言のおかげもあり、描き直していくうちに真潮という一生懸命な意地っ張りが落ちてきました。凪は最初から凪だった気がします(笑)。
背伸びした言動と子どもらしさのギャップが可愛い真潮ですが、セリフやエピソードはどのように思いついているのでしょうか?
ぼくじゅう :等身大を意識してセリフやエピソードを考えていると、なんとなく思いつく感じです。今思い返せばちょっと笑ってしまうような小さかった頃の思い出が、今真潮に起きているんだよなあと思いながら想像したりしています。と言っても1人の頭では限界があるので、周囲の人の色んな話を聞いて視野を広げられるように日々意識しています。
花ゆめ平澤 :ぼくじゅうさんのネームを読んでいると、本当にほんのちょっとした場面、細かな言動の全てがちゃんと「真潮らしい」んですよね……。
ぼくじゅう :真潮がだんだんわかってきた頃に観ていたのが、ドラマの『マルモのおきて』や『監察医朝顔』や『渡る世間は鬼ばかり』です。個人的に大好きだった作品ですが、改めて観ると子どもたちの等身大の葛藤やかわいさ愛おしさが直球で伝わってきて、とても勉強になりました。『はじめてのおつかい』もよく涙腺と戦いながら観ています。最近だとYouTubeやTikTokで様々な年代のお話をたくさん観て聞けるのでとてもありがたいです。
花ゆめ平澤 :実際の子どもや、ドラマの子役、自分の経験と、様々な所にアンテナを張っていないと絶対にこんな言動は思いつかないよなあ……と思って、いつも感心してしまいます。だから、真潮の言動に関してネームを直したことはほぼないんじゃないでしょうか。

言動の可愛さもさることながら、画面も隅々までキュートで癒されます。作画時のこだわりなどはありますか?
ぼくじゅう :ざっくりですが、「かわいい!」をとにかく意識しています……!(笑) 素朴なかわいさが好きなので、作り込みすぎずにカロリー低めで描いています。自分の中での絵柄の黄金比となるようなものからはみ出さずに……とか色々思いながらも、結局は「たのしー!」「かわいー!」と本能で描いている時が一番良いバランスです。細かいこだわりで言うと、輪郭とか口の形、目の表情、小物、擬音などです。真潮はちみっとしていてまるっこくを意識して、凪との差をつけられるように頑張っています。
花ゆめ平澤 :仰られているこだわりはとてもよくわかります。子どもって、大人だったら絶対にしないような表情表現をしていることが多いですよね。親戚の子どもとか見てると、いやご飯食べるときにそんなに口大きく開ける……?とか、ちょっとむくれただけで何でそんな鬼のような形相で睨んでくるの……?とか……。子どもの表情や仕草って大人と違ってとても大げさなので、それをマンガの表現として落とし込むのがめちゃくちゃ上手い! 本当にかわいいです。
ぼくじゅう :私の絵柄だとシンプルな線の方がよりかわいい感じになる気がするので、丁度良い塩梅を探しながらいつも描いています。

担当編集との打ち合わせで、記憶に残っていることはありますか?
ぼくじゅう :ネームがボツ続きだった頃、編集部から、絵に関して個人的に厳しめに感じた評価をいただいたことがあって。その時電話口で平澤さんが「そこが良い所じゃないか」的なことを言ってくださったことはとても記憶に残っています。
花ゆめ平澤 :絵柄はぼくじゅうさんの生命線だと思っていたので、そこに関する批判はたしかにキツかったですね…。一般的な少女漫画に比べると独特な絵だとは思いますが、その絵柄から溢れる温かさは絶対に無くしてはいけないと思っていたので、絵柄批判はもう無視する!って決めました……(笑)。
ぼくじゅう :編集部からの評価で、今までの結晶のようなものが否定された気持ちになったのですが、平澤さんの言葉を聞いて、絵柄に関して味方でいてくれる人が身近にいるって、こんなにも救われるものなんだと思いました。今までをしっかり見てくれる担当さんで良かったなあ……と。
花ゆめ平澤 :僕自身も色々と参っていた時だったので、変な逆張り精神が出たのかも……。そこは屈しなくて良かったなと今でも思います。
ぼくじゅう :おかげでそれ以来、自分の絵柄を見つめ強みを活かしながらより良く描いていこうと意識が変わりました。ゆっくりではあるけれど成長し続けられるようにこれからもがんばります。
「味方でいてくれる人」というお話が出ましたが、マンガラボ!で担当編集がついて良かったことについて教えてください。
ぼくじゅう :マンガラボ!に気軽に投稿した私ですが、その時には想像していなかったお仕事に巡り会えました。作品を投稿者さんだけでなく編集者さんにも見てもらえる場所がマンガラボ!です。みんなに平等にチャンスがあり、気軽に始められることが1番の利点だと私は思います。
花ゆめ平澤 :マンガラボ!は自分の「好き」を理解してくれる編集者を見つける場です。一口に編集者と言っても、考えていることはみんな多種多様。自分のやりたいことを誰かに否定されたとしても、一方でそれを肯定してくれる誰かもきっといます。こういうマンガなら受けがいいかな?とか読み手に忖度せず、ぜひ自分の好きなものをとことんつめこんだ作品を投稿してほしいです! その「好き」を共有できる編集者と出会えたら、お互いに幸せだと思います。
ぼくじゅう :担当編集さんは一番最初に作品に向き合ってくれる人です。作家と作品の一番の味方で、作品を作っていく上でより良くなる方法を教えてくれます。客観的に見てそれを伝えてくれるので、私自身も「そう直したら良いんだ、そう考えたら良いんだ」と勉強になることばかりです。私1人だときっと、どうすればより良いのかもわからないまま描き続けていたと思います。
最後に、マンガラボ!に投稿する方へのメッセージをお願いします。
ぼくじゅう :「ちょっと頑張ってマンガ描いてみたんだよなあ」と、その作品への思い入れがある方、ぜひ気軽に投稿してみてください! もう既に投稿されている方は、より自分の好きや強みを追求して作品作りをしていきましょう。好きの力ってすごいと思います。描き続けると共感してくれる誰かに必ず出会えます。その誰かは読者さんであったり編集者さんであったりと様々です。一つ一つのご縁を大切に、無理しすぎず健康第一に楽しんで一緒に創作していきましょうね。
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ぼくじゅう先生、ありがとうございました!
皆さまのマンガラボ!へのご投稿、そして白泉社でのデビューを、心よりお待ちしております!












