マンガラボ！月間ＭＶＰ発表！！【2022年４月期】

話、扱うテーマが重い中、心の機微を重厚に、且つ丁寧に描いており、読み応えがありました。もう一人の自分を演出に使い、淡々とひり付く展開のさせ方が見事。重たい展開が続いていた分、ラストの二人の映画を通した何気ない会話、心許しあう笑顔…がほっとさせてくれました。もう、もう一人の自分と向き合う事なく、隣で何気ない会話をする友人と前を向いていけるのだな…という、前より少し明るい未来を予兆させてくれ、読後感が良かったです。読ませる展開で淡々とした読み味…が良い所でもありますが、欲を言えば、嘉内さんの上手な構図センスを活かして、大ゴマで印象的な絵が作品内にあると、より読者の印象に残りやすい作品になるのかなと思います。嘉内さんの次作に期待しております。是非色々な設定、心情を描いてみてください！

ＬａＬａ編集長 佐藤一哉