マンガラボ！月間ＭＶＰ発表！！【2023年６月期】

１，２合わせて50P以上…と、読切として読みごたえがありました。画面作りも上手で、アップと引きの絵のバランスもとれており、読みやすく作れています。また、サムネの主人公のアップ絵も作品のクライマックスの場面として、表情豊かに描けていて〇 目をひく絵になっていると思います。話は終始主人公の心情を追う流れではありますが、内容は賛否が分かれそうな印象です。ラスト、主人公が絵を描く事を前向きにとらえるようになる事自体は良いと思います。ただそこに至るまでに友人の死があり…と、最終的な主人公の気持ちの浮上に対し、犠牲が余りに大きく、友人の人生への救いの無さが気になってしまいました。主人公に関しても、何もそこまで思いつめなくても…（銀賞でも十二分に凄い）と、絵以外に関しても人生に対しネガティブな主人公の心情を読んでいく流れを気持ちよくは読めない印象でした。幸せに関する価値観は人それぞれで、その点のみで作品を描くと、どうしても主観的な心情に終始しがちです。たとえば内面だけでなく、外圧的な障害がある中でも懸命に頑張る…主人公の方が、心情を好意的に読める作品作りに繋がるのでは、と思いました。他作品も拝見しましたが、宮さんがジャンルごとで作風を変え、十分な表現力をもって漫画を描ける事は理解しております。色々な幅をもって、今後も作品作りにチャレンジしていける事を願っております。